高齢化と継承者不足の<伝統産業> 地域の潜在労働力“障がい者”が伝統産業に携わる 石川県金沢市 金箔の製造に欠かせない原材料づくり

NEWS LETTER|2020.06.16

障がい者の就労支援を行うセルフ・エー株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役:大島公一)は 現在、就労継続支援A型事業所※1を中心に66事業所※2を展開し、全国で約1,500名(延べ2,300名)の障がい者雇用ネットワークを構築しています。

今回は、伝統産業という地域に根差した産業と、地域に暮らす潜在労働力である障がい者のマッチングの例として、石川県金沢市の取り組みについて紹介いたします。障がい者と一言で言っても、能力や特性は人それぞれです。当社では、一人ひとりの能力や適性に合った仕事へのマッチングにより、能力を発揮できる環境を提供し、数量・質ともに堅実な仕事ぶりが評価を得ています。

 

高齢化と後継者不足で生産額も減少する伝統産業

一般社団法人伝統的工芸品産業振興協会のホームーページによれば、伝統産業業界の従事者数と生産額は

従事者数          288,000 人(昭和54年)         62,690人(平成28年度)

生産額             5,400 億円(昭和58年)          960億円(平成28年度)

と大幅に減少しています。その要因としては、戦後の家族制度の変化、特に核家族化の進行によって、親から子、子から孫へと伝えられた生活様式、生活意識、生活慣習の伝承方式が崩れて、伝統的なものが受け継がれにくくなっていると記載しています。また、伝統的工芸品の原材料や製造用具などの担い手も減少しており、同ホームページでは、そうした不足情報についての情報提供も行っています。(https://kyokai.kougeihin.jp/

 

金沢を代表する伝統産業「金箔」製造に欠かせない原材料づくりに携わる

当社ネットワークの事業所である「self-A・ハニービー額新保」(石川県金沢市)で請け負っている軽作業に、「わらの芯取り」があります。これは、地元の名産である「金箔」を薄く延ばす作業の際に使われる澄打紙(ずみうちがみ)の主原料となります。わらを切りそろえ、中心にある固い芯を取り除き、束にして両端を綺麗に切りそろえます。これら一連の作業は、その昔農家が担っていましたが、近年担い手が不足し、また機械化も難しいことから当事業所に声がかかり、約8年前から仕事を請け負っています。

こうした地元が誇る伝統産業に携わることで、メンバー(利用者)は仕事へのモチベーションがあがり、地域への帰属性が高まり、活き活きと仕事に取組んでいます。

 

障がい者の潜在労働力と地域産業のマッチングで顕在化

当社が行う障がい者の就労支援と地域産業との親和性として、以下の3点が挙げられます。

  • 小ロットの仕事でも請け負いが可能で、様々なニーズに柔軟に対応できる
  • 日々の仕事を通じて、実務レベルでメンバー(利用者)の適性を把握している
  • 全国に事業所があり、地域の潜在労働力を活用できる

“能力が発揮できる環境があれば、障がいの有無は関係ない”これが当社の理念です。今回紹介した伝統産業に限らず、人手不足やアウトソーシングに課題を抱える企業・団体に対して労働力というソリューションを提供しています。各地域の潜在労働力である障がい者に働きやすい環境とマネジメントを提供し、底力を引き出すことにより、人材不足の解消だけでなく、業務の効率化も見込めます。

 

※1)障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスの1つとして、一般企業への就職が困難な障がい者へ働く機会の提供を行う場所。企業などから依頼された仕事を担うためにスキル、知識の習得など必要な就労訓練を行います。A型事業所では、障がい者と雇用契約を結び、給料を支払います。これに対しB型事業所は非雇用の形式で、比較的障がいのレベルが重度の人が利用する傾向にあります。また、原則24カ月(2年間)の期間内で一般就労するために事業所内や企業における作業や実習、適性に合った職場探しと定着のための支援を行う「就労移行支援事業」。他に、「就労定着支援事業」があります。

※2)2020年5月1日時点の事業所数。都道府県別の内訳は以下の通り。青森県(1)、山形県(2)、茨城県(9)、群馬県(7)、埼玉県(2)、東京都(3)、神奈川県(3)、新潟県(3)、石川県(10)、富山県(8)、福井県(1)、山梨県(3)、長野県(3)、三重県(1)、京都府(1)、大阪府(6)、広島県(3)

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