障害者雇用の雇用率とは何か|段階的引き上げの仕組みと未達成時の対応をわかりやすく解説

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自社の人員体制を確認する中で、「自社は障害者雇用の雇用率の対象になるのだろうか」「段階的な引き上げで何が変わるのか」と迷うことはありませんか。制度の全体像が見えないと、判断に時間がかかってしまうこともあります。実際、次のような疑問を抱く担当者は少なくありません。

  • 自社は障害者雇用率の対象企業に該当するのか
  • 雇用率はどのような考え方で算定されるのか
  • 未達成の場合、どのような対応が求められるのか


障害者雇用の雇用率制度は、仕組みを理解することで落ち着いて対応しやすくなります。

本記事では、段階的な引き上げの考え方や対象企業の範囲、未達成時の納付金の位置づけを整理し、企業が確認しておきたい基本ポイントをわかりやすく解説します。

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目次

障害者雇用の雇用率|段階的引き上げを前提に押さえておきたい考え方

障害者雇用の雇用率|段階的引き上げを前提に押さえておきたい考え方

障害者雇用の雇用率は、企業にとって数値だけが注目されやすい制度ですが、目的や背景を知ることで、過度に構える必要はなくなります。近年は雇用率が段階的に引き上げられており、現在の基準だけでなく、今後の動きを踏まえて理解することが重要です。

ここでは、法定雇用率制度の基本的な考え方と、引き上げが進められている理由を整理します。

法定雇用率制度の目的と考え方

法定雇用率制度は、一定規模以上の民間企業に対し、障害者を一定割合以上雇用することを義務づける仕組みです。目的は、障害のある人の就業機会を確保し、安定して働ける環境を広げることにあります。厚生労働省も、障害の有無にかかわらず働ける社会の実現を目指し、この制度を位置づけています。

企業側にとっては負担として捉えられがちですが、制度の考え方は次の点に集約されます。

  • 障害者雇用を特定の企業だけに任せず、社会全体で支える
  • 企業規模に応じて、雇用の役割を分担する
  • 雇用が難しい場合でも、納付金制度などを通じた支え方が用意されている

法定雇用率制度は、すべての企業に同じ形での雇用を求めるものではありません。それぞれの状況に応じた関わり方が前提である点を押さえておくことが大切です。

段階的に引き上げられる背景と令和以降の動向

障害者雇用の雇用率は、雇用機会の拡大や社会参加の促進を目的に、政府の検討を経ながら段階的に見直されています。急な変更ではなく、企業が準備しやすいよう数年単位で引き上げられている点が特徴です。

近年の制度動向としては、次の点が挙げられます。

  • 法定雇用率は一定期間ごとに見直され、段階的に引き上げられている
  • 対象企業は、従業員数を基準に判断される
  • 雇用状況の把握や報告の重要性が高まっている

このように、障害者雇用の雇用率は一時的な対応で完結する制度ではありません。今後も見直しが続くことを前提に、制度全体を把握しておくことが、無理のない企業対応につながります。

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障害者雇用の雇用率|対象となる企業の考え方と確認ポイント

障害者雇用の雇用率制度では、すべての企業が一律に義務を負うわけではありません。

まず確認しておきたいのは、自社が制度の対象企業に該当するかどうかです。対象となる基準や人数の考え方を整理しておくことで、必要以上に不安を感じることなく、落ち着いて対応しやすくなります。

対象となる民間企業と従業員数の基準

民間企業の場合、障害者雇用の雇用率が義務として求められるかどうかは、常用雇用労働者数を基準に判断されます。現在は、常用雇用労働者数が40人以上の企業が対象とされており、この規模に達すると、法定雇用率に基づいた障害者の雇入れが求められます。

さらに、法定雇用率の段階的な引き上げに伴い、令和8年(2026年)7月以降は、対象となる基準が37.5人以上に引き下げられる予定です。

このような基準が設けられているのは、企業規模に応じて雇用の負担が過度に偏らないよう配慮するためです。小規模な企業が直ちに同じ義務を負う仕組みではないため、まずは自社の従業員数がどの区分に該当するのかを把握することが、制度対応の第一歩になります。

常用労働者数の考え方と注意点

対象企業かどうかを判断する際に用いられる「常用雇用労働者数」は、正社員の人数だけを指すものではありません。雇用形態や所定労働時間に応じて、パートや契約社員なども含めて算定される点に注意が必要です。

常用雇用労働者数を考える際の基本的なポイントは、次のとおりです。

  • 期間の定めなく雇用されている労働者が含まれる
  • 週所定労働時間が一定以上の短時間労働者も、条件に応じて算定対象となる
  • 一時的な雇入れや短期間の臨時雇用は、原則として含まれない

とくに、週20時間以上30時間未満で勤務する短時間労働者は、人数を0.5人として換算する仕組みが設けられています。この点を把握せずに正社員数だけで判断してしまうと、実際の対象区分とずれが生じる可能性があります。

そのため、雇用形態ごとの扱いを整理したうえで常用雇用労働者数を確認することが、正確な制度理解につながります。

障害者雇用の雇用率|計算とカウントの考え方を整理

障害者雇用の雇用率を正しく把握するためには、単に人数を数えるのではなく、「制度上どのようにカウントされるのか」を理解しておくことが欠かせません。雇用形態や勤務時間、障害の区分によって扱いが異なるため、基本的なルールを押さえておくことで、自社の状況を落ち着いて確認しやすくなります。

ここでは、障害者の区分ごとの考え方と、所定労働時間に応じたカウントの基本を整理します。

障害者の区分とカウントの考え方

障害者雇用の雇用率を算定する際は、雇用している障害者を制度上の区分に基づいて整理します。対象となるのは、原則として障害者手帳を所持している労働者で、主な区分は次のとおりです。

  • 身体障害者
  • 知的障害者
  • 精神障害者

これらはいずれも雇用率の算定対象となりますが、制度上は障害の程度によってカウントの扱いが異なる場合があります。たとえば、重度の身体障害者や重度の知的障害者を常用雇用している場合、1人を2人分として算定する仕組みが設けられています。
このように、単純に「何人雇っているか」ではなく、「制度上どう換算されるか」が重要になるため、手帳の区分や等級を含めて整理しておくことが、正確な雇用率算定につながります。

所定労働時間・短時間労働者の位置づけ

障害者雇用の雇用率では、所定労働時間もカウントに大きく影響します。すべての労働者が同じ人数として扱われるわけではなく、勤務時間に応じた算定ルールが定められています。

基本的な考え方は次のとおりです。

  • 週所定労働時間が30時間以上の場合は、原則として1人として算定される
  • 週20時間以上30時間未満の短時間労働者は、原則として0.5人として換算される
  • 週20時間未満の労働者は、原則として算定対象外となる

一方で、制度改正により、週10時間以上20時間未満で勤務する重度障害者や精神障害者については、一定の条件のもとで0.5人として算定できる特例が設けられています。この点は比較的新しいルールであり、見落とされやすいポイントです。
勤務時間と障害区分をあわせて確認し、どの区分で算定されるのかを整理することが、実際の雇用率を正確に把握するうえで重要になります。

障害者雇用の雇用率|未達成時に押さえておきたい納付金と行政対応

障害者雇用の雇用率|未達成時に押さえておきたい納付金と行政対応

障害者雇用の雇用率が未達成であっても、直ちに厳しい処分が行われるわけではありません。制度には、企業の状況に配慮しながら改善を促すための仕組みが段階的に用意されています。ここでは、障害者雇用納付金制度の位置づけと、報告義務・行政指導・公表の考え方を整理します。

障害者雇用納付金制度の位置づけ

障害者雇用納付金制度は、常用雇用労働者が100人を超える民間企業が法定雇用率を達成していない場合に、一定の納付を求める仕組みです。未達成であれば必ず支払いが発生するというより、対象となる企業規模が定められている点を押さえておくことが重要です。

納付金は、障害者雇用を進める企業への調整金や助成金の原資として活用され、雇用環境の整備を後押しする役割を担っています。

制度の位置づけとして理解しておきたい点は次のとおりです。

  • 未達成企業を罰することを目的とした制度ではない
  • 雇用が進んでいる企業とそうでない企業の負担を調整する役割がある
  • 納付金は、障害者雇用の促進に向けた支援に活用されている

納付金制度は、雇用率達成に向けた取り組みを社会全体で支えるための仕組みと捉えることで、制度の趣旨が理解しやすくなります。

報告義務・行政指導・公表の考え方

障害者雇用の雇用率については、一定規模以上の企業に対し、毎年6月1日時点の雇用状況を報告する義務が設けられています。この報告をもとに、行政は各企業の状況を把握し、必要に応じて助言や指導を行います。

行政対応は、次のように段階的に進められるのが一般的です。

  1. 雇用状況の報告内容をもとに、現状確認や助言が行われる
  2. 未達成の状態が続く場合、改善に向けた指導や計画書の提出が求められることがある
  3. 改善が見られない場合に限り、企業名が公表されることがある

企業名の公表は例外的な措置であり、通常は助言や指導を通じた改善が重視されます。そのため、報告義務を適切に果たし、状況を共有しながら対応を進めることが、円滑な制度対応につながります。

未達成の場合でも、制度の流れを理解しておくことで、落ち着いて次の対応を検討しやすくなります。

まとめ

障害者雇用の雇用率制度は、単に数値を満たすことを目的としたものではなく、企業の状況に応じた関わり方を前提に設計されています。対象企業の範囲や計算・カウントのルール、未達成時の納付金や行政対応の流れを整理して理解することで、必要以上に不安を感じることなく、落ち着いて対応しやすくなります。

制度の全体像を把握することは、今後の雇用や体制づくりを検討するための土台となります。まずは現状を正しく確認し、自社にとって無理のない形で次の一歩を考えていくことが、継続的な企業対応につながります。

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この記事を書いた人

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