障がい者の就労支援を行うセルフ・エー株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役:大島公一)は現在、就労継続支援A型事業所を中心に61事業所※2を展開し、全国で約1,500名(延べ2,300名)の障がい者雇用ネットワークを構築しています。

2019年12月25日に厚生労働省が公表した「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」【表1参照】によれば、卸売業・小売業の法定雇用率達成企業の割合は38.1%。最も達成率の高い医療・福祉61.6%や農・林・漁業60.0%と比べると低い数値ですが、今後障がい者の活躍が期待される産業分野です。

 

小売業に期待される障がい者雇用

卸売業・小売業での法定雇用率達成企業の割合が低い原因としては、シフト制の勤務時間や休日勤務などで生活リズムを保つのが難しい、接客や電話対応などが苦手な障がい者がいるなどが考えられます。“働き方改革”により各業界で労働環境が変化する中、小売業においては、年末年始の営業を短縮したり、長時間営業や労働の見直しなどの動きが加速しています。当社では、人手不足にともない従業員の満足度向上と離職率低下への取り組みは、障がい者にとっても働きやすい環境が広がる好機と考えています。 小売業特有の仕事内容を大別すると、以下の3つが挙げられます。
① 仕入・物流(バイヤー、在庫管理、物流)
② 販売(店舗運営)
③ 販売支援(販促企画、店舗企画、運営企画) この中で、①仕入・物流の在庫管理や物流の仕事において障がい者の活躍が期待されています。理由は、マニュアル化された作業があり、そういった作業を得意とする障がい者も多くいるためです。

 

ネット販売やバックヤード業務で活躍する障がい者

セルフ・エーの各事業所では、ECサイト運営、食品販売、野菜の袋詰め、検品作業、ポスティング(ダイレクトメールの投函)などの小売業に関わる仕事をしています。また、当社グループ事業所である「self-A・つばさ上越」(新潟県上越市)では、2018年11月より地域のお年寄りや子育て中の人など“買い物に不自由している人”を対象に買い物代行業を行っています。
さらに、卸会社からの依頼でタオル折り、箱折りなどの作業を請け負っており、卸売業での活躍も見込んでいます。

 

誰もが働きやすい世の中へ

当社では、障がい者の活躍には以下の配慮が不可欠と考えています。
・本人の体調を考慮し、勤務時間や業務内容を臨機応変に変更できるようにする
・障がい者が相談しやすい環境づくり
・一緒に働く人たちの理解
また、当社はこれまでに培ってきた障がい者就労マネジメントのノウハウを「就労支援」「雇用促進」「定着率向上」はもちろんのこと「仕事の質の向上」をめざしたコンサルティングを行っています。コンサルティングを通じて“新たな障がい者を生み出さない会社”“だれもが活躍できる会社”づくりを支援しています。
(※1)法定雇用率とは、民間企業、国、地方公共団体は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、それぞれ下記の割合(法定雇用率)に相当する数以上の障害者を雇用しなければならないこととされています
(※2)2020年1月1日時点の事業所数

●法定雇用率(2020年1月27日現在)
一般の民間企業 2.2%(45.5人[50人]以上規模の会社)
特殊法人等 2.5%(労働者数40人[43.5人]以上規模の特殊法人、独立行政法人、国立大学法人等)
国、地方公共団体 2.5%(40人[43.5人]以上規模の機関)
都道府県等の教育委員会 2.4%(42人[45.5人]以上規模の機関)

【表1】産業別の雇用状況

厚生労働省「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」より作成

(注4)C欄の精神障害者には、精神障害者である短時間労働者であって、次のいずれかに該当する者を含む。
①平成28年(2016年)6月2日以降に採用された者であること。
②平成28年(2016年)6月2日より前に採用された者で、同日以後に精神障害者保健福祉手帳を取得した者であること。

(注5)D欄の精神障害者である短時間労働者とは、精神障害である短時間労働者のうち、(注4)に該当しない者である。
(   )内の数字は平成30年(2018年)6月1日現在の数値である。
なお、精神障害者は平成18年(2006年)4月1日から実雇用率に算定されることとなった。